マイナビ農業に掲載されました



「岡崎ホームニュース」
2017年12月2日号より

プロジェクト概要

ご挨拶

現在日本中の農地は荒れ、海や川からは魚が消え、利用されなくなった山野はかつての豊かな環境を失いそれにより行き場を失った獣が町へ降りてくる。 日本の自然環境はそんな状態にあります。だからと言って安直にそれらを利用、管理してきた一次産業を責めればよいというわけではありません。 近頃は儲かる農業、漁業といったキーワードも目立ちはしますが、それらはあくまで立地や周囲の環境(野生動物や目立つ伝統)に 恵まれた方々にしか縁のないもので、その他の多くの生産者は困窮しています。 先祖代々の土地を泣く泣く二束三文で売り都会への出稼ぎを行わなければならないような方も多くいます。 しかし希望がないわけではありません。 近頃は慣行農業などの外来の効率のいい手法により消えたといって差し支えない状態にあるとはいえ、 日本人は昔、里山という独特のシステムにより地域の自然に特化した自然と共生する一次産業を行ってきました。 それらの方法は、現在の人類の課題である「持続可能な社会を作る」ということに対しての一つの在り方としても注目を集めており、 消費者の在り方も、より環境を意識したものや、味を意識したものになってきています。 有機栽培や自然農法などに注目が集まっていることがその証拠です。 僕は、その里山を現代の世に本当の意味で蘇えらせようとこのプロジェクトを計画しました。

里山について

里山という言葉を聞いたことはありますか。
本来の意味とは異なりますが、聞いたことがある人の多くは「人と共生した自然」という意味だと認識していると思います。 しかし抱いているイメージは少し違うものとなっていると思います。 多くの人が里山といえばツシマヤマネコのいる対馬や、朱鷺のいる佐渡など代表的な生き物がいる地域を思い浮かべると思います。 しかし実際の里山はより多様なものです。一つ集落があれば一つ里山があり、 その里山の数だけ管理の仕方や農作物が存在するといっても過言ではありません。 その意味では現在の対馬や佐渡の多くの地域は里山というよりも自然公園に近い環境であるといえます。 ただ、先述の通り自然との共生をしているという点ではある意味正しい在り方でありそれがだめという訳ではありません。 ただ僕が復活させたいと考えているのは先ほど挙げた細かい意味での里山です。その理由としては
・その地域の自然に最も合った方法であり、その地域の本来の環境を守るのには必須であるといえるから。
・里山を復活させるのに必須なのはブランド化であると考えており、
 どの地域も同じ方法で作っていては手間のかかる有機農法を量産してることと同義になり、
 市場が飽和状態になりかねず、全国規模で行うのであれば個性が必要となるということ。
・単純にその地域に合った方法で作物を生産するとおいしいということ。
この3つです。 ただ、問題点としてその地域で栽培していた作物がほとんど残っていなかったり管理の方法がもうわからなくなっていたりする場合もあり、 その場合は順次それらを取り戻していくことも必要となります。

動機

僕は典型的な昆虫少年で、小学生の頃は基本的に田んぼや用水路で虫や魚を取って過ごしました。 しかし、その環境はあるときに突然変わりました。 僕は中学受験経験者で小学6年生の時1年弱外で遊ばない時期がありました。 当時の夢は昆虫学者になり、自然を守ることで中学受験もその夢に少しでも近づくためでした。 受験は無事成功し僕は受験発表が終わってすぐにいつも虫を採っていた田んぼに出かけました。 その田んぼはもうありませんでした。歳をとった農家のおじいさんが手放してしまっていたからです。 用水路ももうありませんでした。利便性を追い地中に埋めてしまったからです。 その後も自宅の近所でのそういった場所の減少は進んでいます。 その後、僕は実際に自らの手で自然を守ろうとボランティア等にも積極的に参加するようになりました。 その経験により私有地問題、財源の不足、人手の不足等多くの問題を知り、それらの解決策を模索することとなり、 その時に里山という言葉を知りこれを復活させられないかと考えるようになりました。その結論がブランド化でありこのプロジェクトです。

サービス

サービスの内容としては流通、コミュニティ作り、資源の利用の3つとなります。

流通について

商品の販売は基本的には自社で立ち上げる通信販売サイトで行おうと考えています。 扱う商品としては里山を利用して作られることを前提とし、農作物などを基本としますが里山を手入れした際に出た 薪やジビエ肉なども取り扱っていこうと考えています。 通販サイトはモール型(生産者や地域を一つの店として考える方法)のシステムを採ります。 それにより各産地、生産者ごとの特色を顧客に認識させやすくなり、よりブランドとしての価値を高められると考えています。 また、モール内の商品は常に固定するのではなく常に流動的なものとして、少数から形や大きさにこだわらず品質にこだわった商品を 生産者が気軽に出品できる、いわば「田舎の朝市」のようなものを目指したいと考えています。

コミュニティについて

コミュニティに関しては現実とインターネット、この二つで作っていこうと考えています。 まずインターネットの方からですが、インターネット上に各産地ごとのファンクラブを作りその中で自由に会話できるようにし、 ファンクラブ限定の情報なども得られるようにします。そうすることによりその産地や生産者と交流ができるようになり、 一般人は里山に興味を持つ機会が増え、生産者や産地はファンを得やすくなります。 続いて現実でのコミュニティなのですが、これはインターネットをより深くするものと考えていただきたいです。 具体的には各産地の古民家を利用し食堂を開くということです。 これにより実際の産地に足を運べばその商品がどのような場所でどのように作られているかを 目で見ることができるようになります。また、スタッフを生産者や地元の方にやってもらうことで 生産している方などについてより深く知ることが可能となります。 また、実際にそれらを作っている方々に調理をしていただくことでその野菜の本当においしい味の付け方や料理方法を知る機会ともなります。

今後の見通しについて

今後はクラウドファンディングで資金を集めていくこととなります。
また、自身が高校生であるということも生かしメディアに露出し知名度と信頼を高めます。 またそれと同時に協力してもらえる生産者の方々も募っていこうと考えています。 資金が集まり次第サイトを作り生産者に出品をしていってもらいます。 その際は地元である愛知県岡崎市周辺の農家から始め、知名度の上昇につれ他の地域以外の農家や農業以外の業種の方へと広げようと考えています。